花育20周年のイベントの午前に、いのちとこころの花育体験会®が開かれます。
当時小学生だった女の子がイベント午前の花育に、今は保育園の先生となって、来てくれるとの連絡が入りました。
スタッフは「15年の時を経て再び」と言ってくれていましたが、
その時のことは今も覚えています。
随分前に札幌市で6回ワンクールで担任をもって花育教室を、財)さっぽろ青少年女性活動協会で開催していただいたことがありました。
今も昔も私は生命の循環のお話を花育の中でするのですが、女の子は、私の言ったその通りのことを体現していた子だったのです。
毎回、ベランダのプランターの土に、土葬(枯れたら土に返す)をしていたそうで、
6回が終わったあとで、お母さまに花の種を買ってきて。と言い、
その土に種を撒き(ミックスという種の袋だったそうです)
育て、咲いて、そしてその咲いた花で、自分で創った器に花をいけて、
「これをお花の先生に見せてほしい」と、持参してくれたそうで、職員さんから写真をいただきました。
それを見て、私は、子供のすばらしさと同時に、自分が恐ろしくなったことを、今も鮮明に覚えています。
教育先進国のデンマークの教育現場では
すでに「先生」でなく「ファシリテーター(共通の目的を理解し達成のための計画立案を支援する人)」となっていますが、
現在の日本の教育はまだまだ「先生」と呼ばれる人が「答えを持っている人」という、
先進国では遅れた概念のままです。
それもあって、
10年以上前に大人向けの花育「フラワーメソッド」を開発した際に、
勉強を終えた方々へは「講師」という肩書を付けず、
「ガイド(ファシリテーター)」と呼ぶように定義しました。
当時、これからの時代を担う人々が持ってはいるけれど、
使う場所が少なく、養い不足の感覚資質と感じていたからです。
それは、花教室の場でも同じでした。
前述の「恐ろしくなった」というのは、
そう感じていた時の出来事だったので、なおのこと、
それから花育の中では、都度自分を疑うように心がけ、相手が答えのように感じてしまわないよう、自己訓練しました。
それは、花教室でも同じスタンスで指導するよう、心がけました。
そして、現在の花育のカリキュラムや、花教室のカリキュラム開発に反映させ、現在では(まだまだで、進化系ですが)体系化してきました。
当時、花育や花教室で、生徒さんの創造力や何を感じているか、表現する際になにをどうしたか、
などを重要視して、目的へと導く私の指導スタンスが、相手にとって理解不能なものとも映っていたようで、
答えや正しさを明確に教えてくれるほうが、安心するのだろうな・・、答えは一つではないことをいくら説明しても不安なのかな・・・、等々、
花指導の確立にも、日々自身の切磋琢磨が絶えなかった、記憶があります。
植物たちという生命あるものたちで創る表現は、動き続けているので、できた!というゴールはなくて、完成は節目でしかない。
などと言っても、ご理解いただける筈もなく、
自転車が乗れたり、逆上がりができるようになるような感覚で、何度も体験していただくしか、
その概念や感覚を覚えたり、身に着けるすべはないんだ、と考え、とにかく体験していただこう、と、花育も教室ももくもくと現場をし続けた20年だったように思います。
今の時代は説明がほんとうに楽になりました。
AIの発達で、だんだん日本でもそのような教育スタンスが浸透してきたのではないか、と感じています。
というのも、花教室では、長く来て下さっている方ほど、結果がでていて、
そういうスタンスを気に入って、
理解してくださっている手ごたえを、
指導の時間内で掴めるからです。
ほんとうに、たくさんの人の支えや支援なくして続いていませんでした。
花も人が育てたものですし、
花がなければ仕事で生かされません。
人がいてくれなければ、勿論仕事ができず、
技術も勉強も経験も生かされません。
やり場もそうです。
なにもかも、花と人が私を導いてくれたように感じます。
7月22日は、そんなすべてのことに、
御礼をしたい気もちで開催しようと思いました。
いつも顔を合わせている人々や、
懐かしい方々からもご連絡があり、
こんなことがなければこちらからご連絡しない方とも懐かしくお話ができました。
現在通っている花育現場、
北海道花育ネットワーク サクトコさんのご協力もあり、
特別で非日常的な仰々しい感覚でなく、
いつもの現場で普段の中にとけ込んだ、
まるで日常の流れのように開催したかったので、
うれしいなよかったな、と、
満ち足りた気持ちでおります。
当日は久しぶりに、
みなさんといっしょに喜び合い楽しみたいです。
午前の花育はまだお席がございますので、
いっしょに花をいけましょう。
お申込み必要です。
午後は久しぶりの嵯峨治彦さんとのライヴです。
先日、音響確認や内容打ち合わせを終えましたが、
2人でアイデアを出し合い、
ウキウキワクワクしていました。
無料で出入り自由ですので、お申込みは要りません、
フラっと、お立ち寄りください。
どこからか音楽が奏でられている場所を目指してお越しくださいね。
ーありがとうを あなたへ
森直子