今日はお誕生日のお祝いの花のオーダーを制作した。
その方のためだけに足を運び、
そのかたのためだけに花を選び、
イメージをして制作する。
蓮の花のような色のダリアが美しかったので手に取った。
出来上がりを見てお客様に
「まるでその人のような、家にもぴったりな雰囲気だ」とおっしゃっていただけた。
よる、連日の師匠との打ち合わせ。
「いくら技術があっても、素材が悪ければおしまい。素材が命。」
はい、その通りです。
素材を質のよいものに代えて準備することに。
この場合の「質」は、「状態」「最適」のこと。
生い茂った青々としたものが本来の姿なら、その一番素晴らしいところを。
垂れモノに合わせるものは対比で真っ直ぐなものを。
脇には脇に徹するものを。
木は木で、草は草でまとめる。
etc・・。
これは、室町時代~江戸時代前期くらいの集大成の生け方。
歴史の中のさまざまな花型にその時代の価値観や美意識が現れている。
と私は感じている。
センター試験とおなじように、ひととおりなんでもできなければいけないけれど、
どの花型が好きかで、だいたいその人の中もでる。
アレンジメントもいけばなも両方しながら、
どちらが好きか、どんな型が好きか、でその人が現れたりもする。
私は型にはこだわりがほとんど・・ない。
以前
東京で、
文化財にもなっているとある侯爵家の御屋敷にお招きいただいたとき、
その建物に使用している木は真っ直ぐに育った質のもののみを厳選して使用していた。
そのお陰でどれだけ年数が経っても、
建てつけに寸分の狂いが無く、
全く直さなくてもよいのだ、と伺い、
木のみで建てられ、釘なども一切使っていない
建具など拝見して、
「ほんとうだ。」と驚いた。
その方も同じことをおっしゃっていた。
「素材がいのち。人も木も同じ。」
さまざまな環境の中でも、こんな年齢になっても、
いろんな面で重力には逆らえないけれど(笑)
やっぱり真っ直ぐでありたい。
私は今、真っ直ぐだろうか。