やっとエッセイを脱稿した。
早いもので、初稿の脱稿からまた書き加え変化させ、5年も経ってしまった。
出版社の社長さんに伝えると、拝見しますと泣いている絵文字と共にメールがあった。
随分とお待たせしてしまった。
また直しかもしれないし、どうなるかは不明だが、ずっと、そのことを気にして生活していたのは確かで、
終わったということだけで、私のすべてのような感覚がある。
やっと、自分自身の区切りがついたのだ。
大阪で、生徒さんが「先生、エッセイまだですか?」とふと私に問いかけた。
完成を待っていてくれている人がいるのだと気づいた瞬間、何かが私を急かし、
北海道に戻って、あと少しで滞っているものを一気に書き上げることができた。
滞りの解消には、自分ひとりだけでなく、やはり誰かや何かの外的要因からのきっかけが必要なのだ。
終えたので、まだこちらも3年お待たせしている絵本の執筆に着手する。
着手と言っても、手はまだまだ動かず、妄想と空想と想像力、そして第6感のような「気」を巡らしている最中。
一筋の閃きを模索している。
私のあたらしい荷となり、これから付き合って生活してゆく楽しさもため息もある。
またこの荷といっしょに生きることを味わっていこう。
森直子