木瓜(ぼけ)
綺麗にしすぎる。との指導あり。
雑多ではなく、整然だけれど、
まるで雑多のように見える部分をわざと加える。
綺麗と美しいは違う。
美しい、麗しいのは風情、気。
現在花の、一般常識として
「汚いもの、無駄なものである」
と排除される部分が、
実は最も生き生きとした輝きを持ち、
美しさの表現力になりうる。
花屋さんでは、
なかなか今は見つけることができないことがとても残念に思う。
見極める目を持っている花屋さんが
年老いて店をたたむのを見ると、寂しく思う。
真っすぐ、整っていることも清潔感があり、
理路整然として確かに綺麗だけれど、
自然に曲がった枝や、虫食い、立ち枯れた葉もまた、
風情があり、情緒があり、
人のこころを打つ。
私は料理もやっぱり、
鮭の切り身をパックで買うより、
鮭一本まるごとを、出刃庖丁で三枚におろして
使い切るのが好きだ。