別れの席に出向いた。
若くして亡くなった妻へ夫が感謝を述べて泣いていた。
私もその方の人生の写真の映像を見て泣いていた。
夫は
これから誰にすごいだろうって自慢したらいいのか、
自分のしたことをいったい誰が心底喜んでくれるのか、
そう思うと・・
で、あとは言葉が詰まり、出てこなかった。
男らしい方だと感じた。
陰で最愛の男を支え、励まし、笑顔でい続け、世話をして、
その人の子どもを生み、育て、苦楽をともにし、陰に徹する。
見送られ感謝され、男は泣いている。
女として、うらやましい人生だな・・と。
人生の最後はそうなりたいとも思った。
別れの席は花でいっぱいだった。
見ている人の感情も本人にも
花は寄り添う。
花がこころを安らぎと癒しで包み込んでいる会場だった。
人には持って生まれた役があると最近思う。
自分の年齢とそう大差ないその方の写真を見ながら、
1週間しかないと言われたら何をしたいか・・
と考えた。
役は果たしていて自分の中に日々後悔はない。
ずっと会いたいと思っても、会えない人に会ってから死にたい。
そう思った。